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辺根えむのブログ

GrandOrgue ヘルプ:第7章 オルガンのカスタマイズ設定

この記事は GrandOrgue のヘルプ "Chapter 2 : Organ settings" を勝手に日本語訳したものです。(ヘルプ日本語訳の目次ページ

まだ日本語として変だったり、意味が取っていない箇所が多々あります。また、図は転載せずに「図」と表記するだけに留めています。必ず原文と照らし合わせの上でご利用ください。

訳出したバージョンは v3.9.5-1 (Jan 23, 2023) です。

以下、訳文です。(文脈や指示語はすべて GrandOrgue に対応するものであり、このブログとは全く関係ありません。)


第7章 Organ settings - オルガンのカスタマイズ設定

この設定画面では、現在読み込まれているサンプルセットに対するカスタマイズを行うことができます。

設定ファイルが存在しない場合に使用される初期値は、現在のプリセット番号、インポートされた設定ファイル、またはオルガン定義ファイルから適用されます。

設定の変更は現在のプリセット番号に保存されます。また、設定ファイルへエクスポートすることもできます。

図 7.1 オルガン設定画面

左の枠内には、定義ファイルで見つかった全てのランクが風箱別にグループ分けされて表示されます。ツリーは個別のパイプのレベルにまで展開することが可能です。風箱の中では、ランクは定義ファイルで見つかった順に並んでいます。

ツリーがパイプのレベルまで展開されると、画面にはサンプルのファイルに割り当てられた MIDI 番号とそのファイルへのパスが表示されます。

右の枠内には、パイプやランクのレベルで調整ができる機能の項目が表示されます。

設定の中には、オルガンのレベルからパイプのレベルまで蓄積されるものがあります:個々のパイプに適用される実質的な設定は、あらゆるレベルの値を使って算出されます。

他の(蓄積されない)設定については、個々のパイプに適用される実質的な設定は次のルールが上から順に適用されます:

  • パイプのレベルで値が定義されていれば、それを使用する。
  • そうでなければ、ランクのレベルえ値が定義されていれば、それを使用する。
  • そうでなければ、風箱のレベルで値が定義されていれば、それを使用する。
  • そうでなければ、オルガンのレベルで値が定義されていれば、それを使用する。
  • そうでなければ、 Program Settings(本体設定)の Options タブ画面で定義された値を(存在すればそれが何であれ)使用する。

まずカスタマイズしたい要素を選択してください。すると、右の枠内にオルガン定義ファイルや(保存されていれば)現在のプリセット番号から拾われた値が表示されます。

一度に複数の要素を選択することも可能です。例えば、一度の処理で複数の要素を同じ値に変更することができます。

サンプルセット設計者の方へOrgan Settings 画面で行われた、サンプルセットへのカスタマイズ調整は、オルガン定義ファイルにコピーされません。そうしたカスタマイズがサンプルセットの一部となるべきものとして設計されているなら、その内容を手作業で設定ファイルからオルガン定義ファイルへ統合する必要があります。

ただし、設定をファイルへエクスポートする際に ODF ファイルと同じ名前を付けることができます(名前の末尾だけは .organ を .cmb に変える必要があります。例えば TheOrgan.organ に対する設定ファイルは TheOrgan.cmb の名前でエクスポートします)。その設定ファイルが対応する .organ ファイルと同じディレクトリに置かれていると、そのオルガンに対するデフォルト設定に使われます。

Settings frame - 設定関連

Amplitude - 振幅

その要素の振幅に対して適用される線形の倍率で、設定可能な範囲は 0 から +1000 までです。この Amplitude はオルガンのレベルからパイプのレベルまで蓄積されます。

:値が 100 だと、 Amplitude の実質的な値に何の影響も及ぼしません。

Gain - ゲイン

選択した要素の振幅に対して適用される dB 単位の倍率で、設定可能な範囲は -120 から +40 までです。この Gain はオルガンのレベルからパイプのレベルまで蓄積されます。

:値が 0 だと、 Gain の実質的な値に何の影響も及ぼしません。

Tuning - ピッチ調整

このスピナーではその要素のピッチを微調整できます。単位は半音の1/100で、設定可能な範囲は -1800 から +1800 までです。この Tuning はオルガンのレベルからパイプのレベルまで蓄積されます。

:値が 0 だとチューニングの実質的な値に何の影響も及ぼしません。

Tracker - トラッカーによる遅延

このスピナーでは遅延(ディレイ)時間をミリ秒の単位で設定できます。この遅延は、トラッカー・システムにおいてキーが離されてから弁が開くまでに経過する時間をシミュレートするものです。

Tracker による遅延はオルガンのレベルからパイプのレベルまで蓄積します。

Audio Group - オーディオ・グループ

このドロップダウンでは、選択した要素が発した音を、どのオーディオ・グループへとルート設定するか、そのルート先を選択します。

:値が空欄だと、上のレベルで設定された値が適用されます。上のレベルに遡ってもオーディオ・グループの実質的な値が空欄のままの場合は、パイプのルート設定先は default audio group になります。

Sample loading frame - サンプル読み込み関連

Sample size - サンプルサイズ

このドロップダウンで設定した値は、親のレベルで設定した値を上書きします。

Parent default を選ぶと、親のレベルで設定したものと同じ値を使います。

詳細は Program Settings 画面の Sample size をご覧ください。

Lossless Compression - ロスレス圧縮

このドロップダウンで設定した値は、親のレベルで設定した値を上書きします。設定可能な値は:

Parent default :親のレベルで設定したものと同じ値を使います。

Enabled ロスレス圧縮をこのレベルで有効にします。

Disabledロスレス圧縮をこのレベルで無効にします。

詳細は Program Settings 画面の Lossless compression をご覧ください。

Sample channels - サンプルのチャンネル選択

このドロップダウンで設定した値は、親のレベルで設定した値を上書きします。設定可能な値は:

Parent default :親のレベルで設定したものと同じ値を使います。

Don't load :そのレベルでサンプルを読み込みません。

Mono :ステレオのサンプルをモノラルで読み込みます。

Stereo :ステレオのサンプルをステレオで読み込みます。

詳細は Program Settings 画面の Load stereo samples をご覧ください。

Loop loading - ループの読み込み設定

このドロップダウンで設定した値は、親のレベルで設定した値を上書きします。設定可能な値は:

Parent default :親のレベルで設定したものと同じ値を使います。

First loop :サンプルのファイル内で見つかった最初のループを読み込みます。

Longest loop :サンプルのファイル内で見つかった最長のループを読み込みます。

All loops :サンプルのファイル内で見つかった全てのループを読み込みます。

詳細は Program Settings 画面の Loop loading を参照。

Attack loading - アタックの読み込み設定

このドロップダウンで設定した値は、親のレベルで設定した値を上書きします。設定可能な値は:

Parent default :親のレベルで設定したものと同じ値を使います。

Single attack :"最良" として提供されているアタックのサンプル・ファイルだけを読み込みます。

All :全てのアタックのサンプル・ファイルを読み込みます。

詳細については Program Settings 画面の Attack loading をご覧ください。

Release loading - リリースの読み込み設定

このドロップダウンで設定した値は、親のレベルで設定した値を上書きします。設定可能な値は:

Parent default :親のレベルで設定したものと同じ値を使います。

Single attack :"最良" として提供されているリリースのサンプル・ファイルだけを読み込みます。

All :全てのリリースのサンプル・ファイルを読み込みます。

詳細については Program Settings 画面の Release loading をご覧ください。

Buttons row - ボタンの列

この列にあるボタンは、選択した要素について画面で入力した内容を実行するのに使います。

Default :選択した要素の値を、オルガン定義ファイルの値に戻します。

Default for All :選択した要素とその全ての子要素の値を、オルガン定義ファイルの値に戻します。

Reset :このボタンは値が変更されるまで灰色になっています。このボタンはこれまで Apply した値を全て元に戻します。

Apply :このボタンを押すと、選択した要素に対して値の変更を全て適用します。変更の適用は必ず他の要素に移動したり OK ボタンを押して画面を閉じる前に行います。

Tuning and Voicing frame - 調律と整音関連

この枠には Ignore pitch info in organ samples wav files. と名付けられた一つのチェックボックスが表示されます。

この機能は音律の設定機能と密接な関係があります。というのは、音律の機能では、サンプルが新しい音律の適用後に動的に再チューニングされる際に、ピッチについての情報が各サンプルファイルもしくはオルガン定義ファイル内でのパイプのエントリに埋め込まれていると仮定されているからです。サンプルセット製作者がピッチ情報を埋め込んでいない場合は、想定外のおかしな結果になります。

このボックスにチェックが付けられると、オルガンを元のものとは違う音律に再チューニングする際に、 GrandOrgue はサンプルファイルで見つかったどんなピッチ情報も無視するようになります。こうして再チューニングされたサンプルセットは期待通りに動作するようになります。この場合、 GrandOrgue はサンプルが平均律に調律されているものとみなします。

Collapse tree button - ツリーの折りたたみ

画面を開いた時は、ツリーがパイプのレベルまで展開された状態で表示されます。このボタンはルートのノードだけを表示させるショートカットです。

オルガンの名前をダブルクリックすると、風箱のレベルまでツリーが展開されます。

Distribute audio groups button - オーディオグループへの適用

このボタンを押すと、選択した要素を選択したオーディオブループに分配します。要素はラウンドロビン方式によってオーディオグループに割り当てられます。

分配する要素を選択してボタンをクリックしてください。選択画面が開くので、希望するオーディオグループのボックスにチェックを入れてください。

OK ボタンを押してください。変更が適用されます。

注意

ここで用いられるラウンドロビン方式は、選択画面に表示された順にオーディオグループに適用されます。その順番は作成された順番と同じです。したがって、要素が用意したリスト通りにオーディオグループに分配される必要がある場合は、必ずオーディオグループはそのラウンドロビン方式の順番に合うように作成されていなければなりません。


訳文ここまで(ただし、脚注が下に表示されています)。